2026/02/11 09:21

「美しく養うサイエンス」には、教科書が存在しない。
美養の先生からそう教えられたとき、私はその言葉の本当の意味を掴みきれずにいた。
なぜ、たったひとつの「正解」を提示してくれないのか。
なぜ、言葉で定義することをあんなにも慎重に避けていたのか。
その答えは、先生が語った「量子力学」という視点の中にあった。
観察者の「思い」が、結果を変える
量子力学の世界では、観察者が「どう見るか」によって、粒子の振る舞いが変わると言われている。先生は、美養もそれと全く同じなのだと説いた。
「研究者の思い、届ける側の思い、そして何より、自分自身の心のありよう。それらが複雑に絡み合って、初めて肌の結果として現れるんだよ」
Aさんに最高の結果をもたらしたものが、Bさんには同じように響かないことがある。
あるいは、昨日までの正解が、今日の自分には通用しないこともある。
そこに「心」や「環境」という不確定な要素が混ざり合う以上、美容ではなく「美養」において、絶対的な答えなど導き出せるはずがないのだ。
文字にできない真理
先生は、ある興味深い話を教えてくれた。
「本当に量子力学を理解している研究者は、その本質を文字として残すことができない。
なぜなら、読み手によって、あるいは読むタイミングによって答えが変わってしまうものを、固定された文字に閉じ込めることはできないからだ」
言葉にした瞬間に、答えは止まってしまう。
「わかった」と思った瞬間に、人は感じることをやめ、思考を止めてしまう。
美養に教科書がないのは、それが常に揺れ動き、変化し続ける「生命のダイナミズム」そのものを扱っているからなのだと思う。
最大のエネルギーは、目に見えない
私たちはつい、特別な成分や目に見える高価なものに答えを求めてしまう。
けれど、先生が教えてくれた最大のエネルギー源は、あまりにも当たり前で、けれど一時も欠かすことのできない「空気」だった。
水や食べ物がなくても数日は生きられる。けれど、空気なしでは数分も生きられない。
石のエネルギーよりも、何万倍も大きな力がそこには宿っている。
呼吸を通じて、その大容量のエネルギーを身体に取り入れること。
外側から何かを足すことばかりに固執せず、まずは今ここにある「空気」と自分の関係を見つめ直す。それが美養というサイエンスの、静かな、けれど力強い土台になっている。
問いを閉じない、という誠実さ
お客様も、自分自身も、刻一刻と変化している。
昨日の正解に縋(すが)るのではなく、
今の肌、今の呼吸、今の心の揺らぎに耳を澄まし、その瞬間の「最善」を導き出し続けること。
「わからない」という余白を抱え続けることは、一見すると不安定で、時に無責任に思えるかもしれない。
けれど、決めつけという傲慢さを捨て、変化し続ける生命に対して常に「問い」を立て続けること。
それこそが、美しく養うという道を選んだ私たちの、もっとも誠実な姿勢なのだと信じている。
この記事を読んでくださったあなたの「今」に、この言葉がどう響くか。
それもまた、ひとつの量子力学的な現象なのかもしれません
noteにも
美養のことを色々綴りはじめました
https://note.com/long_worm7536/n/n22347d505d79
